[ About MOLICE 2014 ]
MOLICEの音楽は、面倒くさい音楽である。
何事も効率の良いことが最高とされているご時世だが、
僕は、たった何小節かのギターを弾くために、
何時間も何日も、音を探し続けるような、
恐ろしく非効率な事をやってきた。
そんな風に、効率や便利さや手軽さの対極の中で
手に入れた音楽は、
いつまでも僕を揺らし続ける。
全自動で作られる音楽、消毒された音楽、
その退屈さを思う。
鼓動のない音楽は、ただの音。
歌っている人、弾いている人が見えない音楽も
今の時代、今の世の中には必要なのかもしれない。
だが、それは歌ではない。音だ。ただの波形だ。
どこまでも深く、非効率で、
自分たちがにじみ出るような、
面倒くさい音楽を創りたい。
2013.12.2
武田ユズル